すりこぎダイアリー

世の中すりばち

26インチの自転車を27.5インチにアップデート

どうやら26インチのMTBは絶滅危惧種の様子

最近全く乗っていなかった自転車ですが、ふとタイヤを物色していたらどうやら今は27.5インチ(650B)や29インチのサイズが主流であることに今更ながら気づきました。ググってみたらフレームはそのままに26インチから27.5化出来るようなのでやってみることにしました。

まずは27.5インチのホイールを組んでみる

変速機に内装式14段のRohloff Speedhub(ローロフ スピードハブ)を使っているので完組ホイールを使うわけにはいかず、パーツをバラで買って組むことにしました。
用意したパーツは下記の通りです。

Spokeの長さはDT SwissのサイトにあるSpoke Calculatorで計算しました。

フロント側のスポークは271mmと273mmなので既製品を購入出来るのですが、リア側のスポークは247mmと既製品では販売されていませんでした。前回24インチホイールを組んだ時も既製品が無く、その際は長めのスポークをカットしてねじ切りしました。流石に面倒くさいのでググってみるとYahoo!ショッピングにあるエムズサイクルさんにオーダースポークというdt swiss championで指定の長さのスポークを作ってくれるという商品があり、注文してみたところまさかの翌日到着。ありがたいです。

前輪は逆イタリアン6本組、後輪はJIS4本組

前輪はブレーキをVブレーキからディスクブレーキに変更するのでシマノの推奨通り逆イタリアンに、後輪はJIS組にしました。
ホイールを組むのは7年ぶり。7年前に買った「ホイール組の達人」のDVDでおさらいをして、逆イタリアンの方はこのサイトを参考に、JIS組方はこちらのサイトを参考に作業しました。またシマノの販売店用マニュアルの10ページに記載されているイラストもスポークの向きを理解するのに役に立ちました。

前輪は6本組(3 cross)にしました。


後輪はRohloffの推奨通り4本組(2 cross)にしました。Rohloffのマニュアルには「French spokehole pattern」の場合と、「European spokehole pattern」の場合の組み方が載っていましたがよくわからなかったのでシマノの推奨通りJIS組にしました。


振れ取りにはParktoolのTS-2.2を使っています。Parktoolの説明通り調整してもセンターが多少ズレてしまうので前回はある程度振れが取れた後にホイールをひっくり返しながら追い込んでいきました。今回はAmazonでGorixというメーカの安いセンターゲージを見つけたのでこれを使ってみました。やはりセンターゲージ使うのが楽で確実ですね。


組み上がったホイールにリムテープ、チューブ、タイヤを装着してフレームに装着。


今回選んだタイヤがtubeless readyだった為以前試したことのあるnotubesを使ったチューブレス化をしようかとも思ったのですが、tubolitoというTPU製の軽量チューブを見つけたのでこれを試すことにしました。MTB用に3種類あるうちのTUBO MTBというモデルで重さは実測78.6gと軽量です。bikeinn.comで一本2,323円、予備含め3本購入したので送料を含めると1本あたり2,638円でした。
追記:1本は数回の試乗でスローリークが発生しました。よくあるらしいバルブの付け根からのリークではなく、チューブを輪にするために接着している部分の近く(接着不良ではなさそう)の2箇所からリークしていました。スネークバイトとちがって縦方向に2箇所でした。次に短期間でパンクしたらもう買わないですね。


26インチのホイールに装着していた一般的なプチルゴム製のチューブが224gだったので大幅な軽量化です。



タイヤは控えめに小さなブロックパターンの1.90幅にしたので前輪、後輪ともクリアランスの問題はなさそうです。

ディスクブレーキ化

リムのサイズが変わる為、今まで使っていたリムブレーキが使えなくなるのでディスクブレーキ化が必須になります。シマノかMaguraで迷って入手しやすいシマノにしました。
用意したパーツは下記の通りです。


26インチホイールで使っていたブレーキは台座も含め取り外し。


フロント側のブレーキ台座は強固に固着しており、温めてもロッキングプライヤを使っても外れなかった為、万力で挟み込んで万力ごと回して外しました。


フロントフォークはIS台座の為ブレーキキャリパーをシマノのアダプターを使ってマウント。ブレーキキャリパーはXT(M8100)SLX(M7100)を比較してコスメティックな部分以外の差が分からなかったので値段の安いSLXにしました。


リヤもIS台座なのですが、IS台座にはRohloff Speedhubが空回りしないようにするアクセルプレートを固定する為のSpeed Bone(#8550)という物を取り付けてあります。ここにポストマウント用にアダプターを共締めしてブレーキキャリパーをマウントすることも出来るのですが、Speed Boneの機能とポストマウントアダプターとしての機能が一緒になったMonkey Bone(#8553)というものがあったのでこちらを使うことにしました。Speed Bone同様Monkey BoneはOEM2タイプのアクセルプレートで使用可能です。



160mmのローター用のMonkey Bone(#8553)です。


パーツが1つで済むので見た目もスッキリします。
Rohloff Speedhubはブレーキローターの取り付け穴が4つなのでRohloff専用のローターが必要になります。今回はHopeのローターにしました。
Monkey Bone、ローターともにSJS Cyclesから購入しました。



ハンドル幅を58cmほどにしているのでブレーキレバーは現行のM8100/M7100シリーズのブレーキレバーでは取り付けクランプの位置の問題でシフター側のグリップのスペースを十分に確保出来なかった為M8000のレバーにしました。


M7100/M8100では写真のようにクランプがマスターシリンダーの中央あたりになっており、ローロフのシフターに干渉してしまいました。

ついでにドライブトレインをアップデート

ホイールとブレーキの交換で27.5インチ化の作業は完了なのですが、ついでにドライブトレインを新しくしました。


現在販売されているRohloff Speedhubはsplined sprocketというタイプのスプロケットが装着されています。2005年頃に購入した私のSpeedhubは16Tのthreaded sprocketというタイプのスプロケットが標準で装着されていました。threaded sprocketは取り外しに専用の工具(#8508)が必要になります。またスプロケットの種類は13T、15T、16T、17Tの4種類がありましたが、現在入手可能なものは15Tと17Tの2種類のみです。threaded sprocketではチェーンラインは54mmとなり、一般的な前三段の一番外側のチェーンリングの位置で大凡54mmとなります。


現行のsplined sprocketは簡単に取り外せるリングでスプロケットが固定されているだけなので専用工具無しでスプロケットの取り外しが可能です。またスプロケットの種類も13T〜19Tと21Tが用意されています。threaded sprocketからsplined sprocketへのコンバージョンにはsplined sprocket carrierというパーツが必要で、splined sprocket carrierには標準タイプ(#8540)とスリムタイプ(#8540S)があります。スリムタイプの方は利用可能なスプロケットの種類が15T〜19Tと21Tになります。13Tのスプロケットが使いたかったので標準タイプを選択しました。チェーンラインは標準タイプのsplined sprocket carrierでは57mmになり、スリムタイプでは55mmとなります。今回splined sprocket carrier及びsplined sprocketは前出のSJS Cyclesから購入しました。


後輪側のチェーンラインが57mmになったのに合わせてクランクセットはチェーンラインが56.5mmのシマノFC-M7130-1にしました。脚が短いのでサイズは一番短い165mmを選択。


チェーンリングはSLXグレードでは36Tが無かったのでXTグレードのSM-CRM85を選択しました。44Tx16Tから36Tx13Tへの変更なので変速比はあまり変化はありません。36Tx13Tで内装ギアを考慮した変速比は約0.77〜4.06となります。


ついでにボトムブラケットもSM-BB93へ変更しました。


チェーンラインが56.5mmとなるのでBBの外側に4mmのスペーサーが入ります。


チェーンは潮風に強そうな和泉チエンのCPチェーンにしました。5/6速用なので見た目ちょっと太めです。


実際のチェーンラインもほぼほぼまっすぐです。

結果フレーム、フォーク、ハンドル、ハブ以外ほぼ全取っ替え

ペダルも交換予定なので結果的にフレーム、フォーク、ハンドル、ステム、ヘッドセット、ハブ以外全取っ替えとなってしまいました。作業自体楽しかったのでよいのですが、ここまで変えてしまうならいっそフレームから変えてしまってもよかったのかなぁとも思います。SalsaのFargoとかrohloff用のパーツもあってなんか良さげだし…。でもまぁフレームから変えるとコストも倍以上になってしまいそうなので、これはこれで良かったと思う事にします。